N**I
名作のPart2で、期待に応える仕上がりは見事だ。
やはり、前作に較べると見劣りは否めない。だが、それは本作が物足りない出来栄えだ、ということを意味するものでは、決してない。過去編は、それほど心に響くものがなかった。ロバート=デ=ニーロは、まだ駆け出しとみえ、大作の主要人物の配役としては、まだ力不足だ。現代編は、複雑な筋立てで、何度も鑑賞しているのに、まだ細部が掴み切れていない。だが、現実にあったキューバ革命という事象を、対立マフィアとの暗闘や、兄弟相剋の哀しみと上手く織り交ぜており、見ごたえは抜群だ。委員会における聴聞も、一見すると堅苦しい内容に見えて、まったく飽きがこない、サスペンス調となっている。最大の見どころは、”フレド”の葛藤だろう。「俺を何だと思っているんだ?お前の兄貴なんだぞ!」「あれをやらせておけ、この仕事を割り当てておけ…俺は使い走りじゃないんだ!」彼は、けっして野心の強い人間ではない所に、形容しがたい悲哀がこもる。ただ、ひたすら、尊重されたかった、周囲から認められたかった、われわれと等身大の男なのだ。名優”ジョン=カザール”の好演も相まって、きわめて印象深い存在だ。最終盤、さらに見所が訪れる。”マイケル”の「この世で確実なことは一つ…人は殺せる」は名台詞だ。そして、脇役ながら、強烈な存在感を示す”アル=ネリ”の暗躍も、見逃せない。アメリカの定番クラシック映画として、教養としても、娯楽としても、必見の名作映画だ。
こ**ー
あっという間の3.5h
前作が面白かったので続けて鑑賞。なにこの尺、ふざけてんの!?とか思いつつ。長さに加え、「続編」です。つまり二世です。先代の成功を維持することの困難さはマイケルが証明しています。しかもヴィトーの若かりし日を別の俳優さんが演じているとか・・・。しかし不安は裏切られました。ただでさえ重厚な人間ドラマが年代記に昇華していた。何この映画。すごい。拍手代わりに★5を連打したい。前作もそうでしたが、小節のひとつひとつが面白いです。先が予想できないとかじゃなく、展開や画が「良くできていて見入ってしまう」感じの面白さ。シラける要素が何もない。人物の多さに加えて、今作は、時点移動が理解の難しさを助長しているけれど、そこは私が頑張りました。Wikiを参照しながら食い下がってついて行きました。公聴会の背景を飾っていたファミリー組織図がすごく欲しい!特に素晴らしいと思ったのは、デ・ニーロのヴィトー。ブランドの晩年ヴィトーとの違和感のなさこそが違和感。どん底からスタートして家族や仲間を増やし、尊敬と財産を獲得してゆくヴィトーのパートが温かなセピア調なのに対して、マイケルのパートはどんどん冷たさを増してゆくのが、印象的な構成です。終盤凍えそうでした。似たようなことしてるはずなのに・・・。「時代が違う」とはマイケルも言っているし、実際大きな違いだと思います。例えば奥さん。イタリア系移民として似たような苦労の経験を持ち、家父長制に適応したヴィトーの奥さんと違って、マイケルの奥さんは、生まれながらのアメリカ女性なのでしょう。彼女の苦悩は察するに余りある。むしろここまでついてこれたのがすごいよ!あんた頑張ったよ!前作は「復讐」、今作は「時代」に思いを馳せさせられた内容でした。3作目もあるようで、絶対観ます。
ヤ**リ
映画好きは必ず見るべし!コッポラ最高作品。
10年置いて3度見たが、隅から隅までよく出来ていると思いました。黒澤明はこういう映画は作らないが、もし彼が撮ったらどんなに撮るだろうと妄想してしまった。映画のスケール、ボリュームが前作より1周り大きいし、コッポラの演出がほぼ完璧と思います。いやー。堪能できました。双葉先生式で☆☆☆☆ですね。最後にパシーノ、デニーロ、カザールが素晴らしいです。ストラストバーグ先生はこんな感じですか。有難過ぎて上手さがわからん。
く**ろ
デ・ニーロの演技。
3部作の中で一番好き。正直、アル・パチーノのシーンはあまり興味がない。何といっても特筆すべきはドン・コルレオーネの若かりし日を演じたデ・ニーロの演技。1作目を見た人ならお気付きとは思うが、本当マーロン・ブランドの所作を再現している。脱帽。シチリアで両親を殺されたヴィトが、単身アメリカに渡り家庭を築き、ゴッドファーザーとして成長していくストーリーも良かった。余談だが、「本場イタリアではスパゲティを食べる時にスプーンを使わない」という話をよく聞くが、1974年制作のこの映画の中でヴィトの仲間がスプーンを使って食べているシーンがある。どっちが正しいんだろう?
A**ー
「人の絆」の大切さが、これほどよくわかる映画はない!
パート1を観てから、このパート2を観るのが前提!どうして、ドン・コルレオーネがマフィアの頂点に立ったのか……。その秘密がわかるのがパート2。答えは、義理人情といった「人の絆」これを大事にしていくと、親兄弟を殺され、たった一人で、アメリカに渡った無一文の少年が、人々の信頼を勝ち得て、頂点に登りつめることができる。その過程が、パート2で丁寧に描かれていく。と、同時に、義理人情といった「人の絆」を無視し、冷酷非情に強さのみを追求し続けると、一瞬、頂点に立っていても、崩壊していく……。その崩壊役を、ドンの三男、マイケル・コルレオーネが担当する。このパート2を観ていて、パート1でマーロン・ブランドの演じるドン・コルレオーネが友情・家族愛の大切さをさかんに口にしている光景が、実に意味深く思い起こされてくる。何もないところから、大きなものを築き上げた苦労人のドン・コルレオーネだからこそ、義理人情の大切さが身にしみてわかるのだろう。生まれた時から、恵まれた環境にいたドンの子供のマイケルにはそれがわからず、人と人のつながりを軽視し、さらには兄弟愛・家族愛をないがしろにし、自滅への道を辿ることになる。(パート3で、この様子が描かれるが、パート2で予想される展開であり、パート3は駄作なので観なくてもよい)「山」を築くには、こうすれば良い。そして、その「山」は、こうすると、いとも簡単に崩れ去る。この人間社会の「黄金ルール」を学べる、最良の教材ともいえるのが、この映画「ゴッドファーザー Part2」だ。混沌とした現代にこそ、観る意義の大きな映画といえよう。このような混沌とした今、先を見通せない時代に、何を頼りに人生を発展させていったら良いか。その答えが、実によくわかる。「人の絆」を大事にする者は栄え、それを軽んずる者は滅びる。いつの時代にも変わらぬ「黄金法則」を、この映画で定期的に確認することをおすすめします。
木**也
コレクションとして最高
まあね
B**.
デ・ニーロが最高の演技を見せる!
ゴッドファーザー三部作の中でもこのIIが傑出した出来。何年かに一度見直す作品です。デ・ニーロはこれと「恋におちて」が出色の演技だと思う。
齊**想
これぞアル・パチーノ、といった映画です。
本作はゴッドファーザーの続きであり、前日譚にもなっています。前作でコルネオーネ家のトップに立ったマイケルは、勢力をどんどん伸ばしていきます。カジノホテルを強引な手法で買収したり、敵対するトップを襲ったり、マイケルは冷酷な姿を見せていきます。すべては家のため、家族のためです。その一方で襲撃も受け、マイケルについていけない家族や身内が裏切るようになります。家のため、家族のための行動が、逆に家族がバラバラになってしまう。妻もマフィアの妻としての生活に耐えきれなくなり、ついに別れることになります。ラストでマイケルは赦したと見せかけて裏切った兄を殺し、裏切っていまはFBIに守られている仲間も家族を人質にして自殺に追い込みます。また、殺しきれなかった敵対するトップを念押しするように殺します。前日譚は父の話です。着の身着のままの生活から、どうやってマフィアを作り上げたか。それをマイケルのパートの合間合間に挟み込んでいきます。さて、本作ですがアカデミー賞を6部門受賞するなど、前作に続いてのアカデミー賞受賞作品となりました。監督の父も作曲賞を受賞、監督の妹のタリア・シャイアも助演女優賞にノミネートと、一家で大活躍の作品となりました。もちろん血縁だけでなく、テーマソングは有名だし、タリアはマイケルの妹でありかつ少しエキセントリックという難しい役柄を見事に演じ切りました。タリアはロッキーのエイドリアン役でも有名(むしろ、こちらが有名)です。受賞ラッシュの作品だけに、とても芸術的で、ひとつひとつのパートがエンタメのように分かりやすく描かれてはいません。とくに前半はややこしいです。半生記なので淡々としている部分もありますし、おまけに3時間オーバーと長いです。アルパチーノの演技は、完全にマフィアになりきっていて、表情を変えないなかで威圧や隠された悲哀を表現し、それがとても印象に残ります。まさにアルパチーノです。製作費13百万、興行収入1億93百万と前作には及ばないもののメガヒットとなりました。アメリカ国立フィルム登録簿に登録されています。コッポラ監督ファミリー大活躍の芸術映画に親しみたいひとのために!
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